『月華美刃』 1巻

月華美刃 1 (ジャンプコミックス)

月華美刃 1 (ジャンプコミックス)

クーデターによって月を追われた皇女カグヤ。
地球に下って追っ手を相手に孤軍奮闘するその姿に、
登場人物ならずともまさに「キュンとくるでしょうが!!!!」


月を統治する銀后フジヤの娘カグヤは、
御所でも手がつけられないほどのおてんば娘。
稽古事はサボる。脱走などは日常茶飯事。
そんなある日、カグヤは母フジヤの病が発覚する。
母の厳しさが、自らの寿命を意識してのことだと知ったとき、
「早くオトナにならなくては!」そう決意する。


時を同じくして進んでいた、分家によるクーデター計画。
それは奇しくもカグヤの元服の儀式に照準を定めていた。


そして式典当日。
テロリストたちによって襲撃された神殿に、
娘を守るため病を押して戦う母カグヤの姿があった。
母を月に残し、ひとり地球へ下ることを余儀なくされたカグヤ。
「何でこんな…違う…私はただ母様を安心させようと…。イヤだ!」


主人公カグヤは、夜桜カルテットのヒメちゃんに近い感じ。
辺境の地、地球で少しずつ仲間を得、月からの使者に立ち向かう!

『オールラウンダー廻』 4巻

オールラウンダー廻(4) (イブニングKC)

オールラウンダー廻(4) (イブニングKC)

努力できる何かがあって、
一緒に打ち込める仲間がいて、
たまに勝利を味わうことができる。
そういうの大切なんじゃない?こんな時代。


巻末の作者コメントを要約するとこんな感じ(上記)。
勝つことだけが目的じゃない。
人と繋がってるだけで楽しいんじゃない。
主人公メグルにとってのその何かが格闘技・修斗(しゅうと)。


ジムには人生の先輩や同世代のライバル、
それにちょっと変わった異性がいたりして、
試合では負けたり勝ったりの繰り返し。
自分はなぜ戦うのか、ふと疑問に思っても答えは出せず、
それでも今は、仲間がいるから頑張れる。


誰の周りにだって、そうした世界への扉はきっと存在していて、
その鍵は、自らの中にすでにあるんだと思うんです。
この国に未来がなくとも、僕らの今を犠牲にしたくない。


2巻のレビューはこちら。
本格格闘技マンガとしての「オールラウンダー廻」評です。
『オールラウンダー廻』第2巻 - コピーライター志望の漫画レビュー

『ケツ犬』 1巻

ケツ犬(1) (エデンコミックス)

ケツ犬(1) (エデンコミックス)

すべてのギャグを高次元で成立させる、
『ケツ犬』という名の魔法。


「今までのペットではな〜んか物足りないそこのあなた!
 最新ペット『ケツ犬』はかつてない癒しを与えてくれます。
 なんとこれ、メーカー希望小売価格120万円のところ今なら……
 120,000円→850,000円!!〈えーっ〉
 さらに!ケツ犬をより楽しむためのガイドブック、
 そして今回限りケツ犬をもう一匹つけちゃいます!〈うそでしょー!?〉
 もちろんお値段据え置き85万円。〈やすーい〉
 ブルジョワのたしなみ ケツ犬850,000円」


世間では謎多き高級キモカワペット・ケツ犬が大ブーム。
仕入れ先が一切不明の一社独占販売が続くこの商品だが、
その不思議な魅力にハマる人が続々。
今では高所得者のひとつのステータスにまでなっている。


その特長は、なんといっても鼻下からケツのように
真っ二つに割れて垂れ下がる大きなホッペ。
低反発仕様でなんとも言えない肌触りに、
裏側からツーンとくる甘酸っぱい臭さがたまらないそう。
空腹時にはそのホッペが急激にしぼむなど、
地味〜な自己主張が人々の心を捉えて離さない。


おもしろいのは、別にこのケツ犬がボケたり
ギャグをかましたりという訳ではないところ。


ケツ犬に群がる人間たちや、その影で虐げられる他の動物たち、
彼らの心の卑しい部分だったり、悲しい部分だったりを
やわらかく包んで、シュールに照らし出す。
これが『ケツ犬』魔法なのです。


人の心の隙間にそっと入り込む、キモカワペット・ケツ犬。
これはぜひ、じっくり味わっていただきたい。


DVDも出るらしい…

ケツ犬 [DVD]

ケツ犬 [DVD]

『あまんちゅ!』 第3巻

あまんちゅ!(3) (ブレイドコミックス)

あまんちゅ!(3) (ブレイドコミックス)

キャッチコピーは「日常、ときどきダイビング」。


高校で出会い、一緒にダイビング部に入部した
“ ぴかり ” と “ てこ ”。
そんなふたりが体験する海中の世界は、
まさに日常とはかけ離れた別世界。
3巻からは本格的なダイビング活動がスタートです。


「BCD OK!。エアー類 OK!。ウエイト OK!。
 リリース OK!。ファイナル OK!」(バディチェック)
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
ひとたび海に入れば海水がウエットスーツに浸入し、。。。。
海をのぞけば眼下に広がるのは一面の蒼い世界。。。。。。
沖から離れるほど海底までの距離は遠くなり、。。。。。。。
どこまでも、深い蒼に吸い込まれていく。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
こみ上げてくる恐怖心を抑えながらゆっくり潜行。。。。。。
不安のドキドキがわくわくのドキドキに変わるころ、。。。。。
無数の空気の泡たちが、白い柱となってそそり立ち、。。。。
そこは何とも神秘的な蒼の世界…。。。。。。。。。。。。。。。。。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


潜りてぇーーーーーーーーーーーーっ。
伊豆もっかい行きてぇよー。
次はぜったい潜る。

『彼女のひとりぐらし』 第1巻

彼女のひとりぐらし 1 (バーズコミックスデラックス)

彼女のひとりぐらし 1 (バーズコミックスデラックス)

世のおひとりさま女性の実態が明らかに!?
残念だけど愛おしい、そんな“彼女のひとりぐらし”。


輿水理香、26歳独身のひとりぐらしは、
仕事に恋に奮闘中!なんてキラキラした毎日じゃなくて、
脳内彼氏を妄想したり、ゲームしたり、飲酒したり、
そんな悶々とした日々を満喫中。。


「モテない女ってのも、いるんだけどねー。ここに!!
 一生気づかないんだろうけど!!残念でした……」


コンビニのレジではかっこいい店員相手に妄想を膨らませ、
お風呂にゲームは欠かさない(風呂上りはもちろんビール)。
ひとり鍋には酒を入れすぎて酔っ払い、
クリスマスの定番はやっぱり明石家サンタ


「ごめんなさい男の人っ。
 ええ、残念なのは私ですね。すいません。ぐすっ…」


でも読み終わると、そんな彼女に
いつのまにか愛着が湧いていますよ、きっと。

『ACLLA アクリャ -太陽の巫女と空の神兵-』 第2巻

Aclla~太陽の巫女と空の神兵 2 (YA!コミックス)

Aclla~太陽の巫女と空の神兵 2 (YA!コミックス)

故郷のため、戦火に飛び入る少女たち。
モビルスーツばりの空中戦闘シーンは見もの。


スペインのインカ帝国への侵攻がベースとなった
架空の歴史ファンタジー
実際の歴史と大きく違うのは、
インカ側の主人公が属する飛行部隊の存在。
重力に逆らう特殊な糸によって編みこまれた翼を背負い、
馬と銃を操る侵略兵たちを空から攻撃する。
これまでの戦いでは、この飛行部隊の存在により
圧倒的な戦力差が補われていた。


しかし、2巻では侵略軍側にも飛行部隊が整えられる。
黒い翼を持つ3人の少女からなる「黒の中隊」。
この飛行部隊同士の対決が、なかなかの迫力で見もの。
主人公カイが、敵との力の差を戦いの中で正確に分析し、
そこから勝機を探り出そうとするあたり、
モビルスーツ戦闘が思い起こされてワクワクします。


なんとなくの1巻、とりあえずの2巻でしたが、
これは3巻も買おうと思います。

『ツール!』 第2巻

ツール! 2 (少年サンデーコミックス)

ツール! 2 (少年サンデーコミックス)

父親の死を乗り越えて、少年はフランスへ渡る。
ツール・ド・フランスで勝つために。


物語上、予定調和的だった父親の死から7年後、
17歳となった少年は、単身渡仏。
父親の成し遂げられなかった夢、世界一を目指す。
そう、本当の物語はここからまた始まるのです。


7年間で主人公(ヒイロ)を取り巻く環境は変化した。
レーサーだった父親(カツ)の事故死。
それに巻き込まれての、同じくレーサーだった
親友(キソウ)の父親の競技生命の終わり。
その後転校し、強豪校へと進んだキソウはインターハイ連覇を達成。
そして相変わらず世界一の座に君臨する、
父親を打ち負かした世界最強のロードレーサー(ゼウス)。


ヒイロも、もうこれ以上は待てない。
バイト生活で貯めた資金で、フランスへ渡り、
ピラミッド型に分類されたフランスロードレース界の
底辺から、ゼウスに挑戦できる頂点へ。


ここから先の物語は、まるで風のように読めない。
導くことができるのは主人公の強い意志のみ。
今いちばん“風”を感じられる自転車マンガ。
もっと人気が出てもおかしくないと思うんだけど…。