『星屑ニーナ』 第1巻

星屑ニーナ 1巻 (ビームコミックス)

星屑ニーナ 1巻 (ビームコミックス)

人とロボットの心?の交流を描いた、
せつなポップ系 神話、誕生。


『少年少女』『機動旅団八福神』の福島 聡による新シリーズ。
前作の鬱な雰囲気からはうってかわって、めちゃポップです。
可憐で破天荒な女子高生ニーナと、少年型ロボットの星屑。
ふたりは出会い、容赦ない時の流れの中で未来へと突き進む。


ロボットとは、人の身勝手な夢を一緒にみることを許された存在です。
だからこそ星屑は、ニーナのわがままにも全力で付き合うし、
それが自らの存在意義であると信じて疑わない。
そしてふたりは強い絆で結ばれる。


でも、人は死ぬが、ロボットは死なない。
ここに人の一生の儚さと、ロボットの悲哀があります。
ニーナとの思い出を宝物のように抱える星屑。
こうして出会いと別れが繰り返される。


谷川俊太郎さんの「百三歳になったアトム」という詩に、
こんな言葉があります。


もう何度自分に問いかけたことだろう
ぼくには魂ってものがあるんだろうか
人並み以上の知性があるとしても
寅さんにだって負けないくらいの情があるとしても


まだ星屑は気づいていない。
大切な過去のために、未来を生きる。

夜のミッキー・マウス (新潮文庫)

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