『高校球児ザワさん』 6巻

高校球児 ザワさん 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

高校球児 ザワさん 6 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

進化し続けるマンガ、ザワさん。
季節は巡っても、高1という時間は終わらない。


始まりは身体的描写が特徴的なフェチマンガとして。
それから妹属性を付加するなど、
じっくりとキャラを掘り下げてきたが、
ザワさんの魅力は、それだけでは説明できない。


それはやはりこの空気感だと思う。違和感と言ってもいい。
普通の野球部に、女の子が混じっている。
もちろん現実においてもそういう状況はある。
けれど、ザワさんみたいな子はいない。
違和感の原因はそこだ。
この作品は、ファンタジーなんだ。


そこにリアリティを持たせているのが、ザワさん以外のすべて。
周りの部員も、そこで起きる出来事も、
どこにでもあるようで、どれもどこか懐かしい。
そして極めつけは綿密な背景。
あだち充作品の最終回ばりの演出で、
このマンガは背景に語らせる。


季節がいくら巡っても進級することがなく、終わりがない。
高校生という特別な時間が、特別であり続ける。