『演劇部5分前』第1巻

演劇部5分前 1巻 (BEAM COMIX)

演劇部5分前 1巻 (BEAM COMIX)

ストレートすぎる青春ものはちょっとこそばゆい…。
でもしっかりとテーマのある作品が読みたい…。
そんな人におすすめします。


部活ものとか青春ものって、
その熱さとか痛さに時々ついていけなかったり、
読むにはちょっとカロリーが高すぎる、ってことはありませんか?


だからこのジャンルって、つい敬遠しがちになったり、
もっとコメディ色の強いものや、いわゆる日常ものとかに
手が伸びてしまったりすると思うんですが…、


この漫画なら大丈夫。笑いあり、陰もあり、
まじめな所もありで、きっと楽しく読み進めるはずです。


舞台はとある高校の演劇部。部員は3年生の女子3人だけ、
問題ばかり起こしてきたこの部には常に廃部の圧力が…。
そこで先生たちを見返そうと、中部大会出場を宣言する
彼女たちだが、まずやることは部員集めと顧問探しから。


3人(後に1人増えるが)の日常、部活動の中など、
いたるところでギャグをかましているので、
それだけの漫画かと思ったんですが、
読み進めていくと、そうではないことが分かる。


みんなそれぞれの内に抱えていることがあって、
将来どうしたいのかもまだ定まってなくて、
でも卒業後の進路はきっとバラバラで…、
ただ演劇が好きというだけでつながっている。


そんな部員たちの関係性も、単なる仲良しこよしではなく、
ケンカもするし、分かり合えないこともある。


そんな4人が、とにかく今。
「誰かに認めてもらいたくって、
 このまんま終われないからって、しがみついてんだよ」


じんわりとテンションが上がってきます。