『乙嫁語り(おとよめがたり)』第1巻
- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: コミック
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こんな漫画あったのね。
12歳の夫と、20歳の妻。
ちょっとありそうな設定でも、
19世紀の中央アジアが舞台となると、
途端に今までなかったような物語に。
「ユーラシアの風が招いた、アミルの結婚」
「8歳の年の差を越えて、ふたりは愛を育んでいく……。」
などと帯には書かれているから、もっと恋愛モノくさい、
ともすればラブコメに近いような、話かもと思っていた。
でも読んでみたら、そんなことはない。
ふたりの暮らしを通して、この時代、この地域の
人々の生活様式や文化、価値観などが存分に描かれている。
弓を使った、ウサギの追い方や
地域に伝わる、木彫りのお守り、
夜の幕家(ゲル)での暖の取り方など。
そうした、生活シーンがベースとなった上で、
ふたりの絆が強く結ばれていく様子も、
丁寧に、じっくりと描かれていく。
そもそもふたりの結婚は、それぞれの部族間で決められたこと。
15〜16歳が結婚適齢期とされていたこの時代、
夫のカルルクにとっては少し早い、
妻のアミルにとっては少し遅いこの結婚。
勝手な都合で花嫁を取り戻そうとするアミルの部族、
それに対する、現在アミルが暮らす夫カルルクの部族。
そんな部族間の対立関係の中にありながらも、
夫婦としてともに歩み始めたふたり。
ふたりの幸せを願うばかりです。