『オールラウンダー廻』第2巻

オールラウンダー廻(2) (イブニングKC)

オールラウンダー廻(2) (イブニングKC)

良い格闘技マンガは、格闘技が分からなくても面白い。


修斗」という格闘技を題材にしたこのマンガ。
主人公は格闘技のジムに通う高3男子、高柳 廻(メグル)。


修斗」というのは打撃あり、投げあり、寝技ありの競技。
プロ化して20年を迎える、日本生まれの総合格闘技だそう。


「格闘技が分からなくても面白い」と言ったのは、
ストーリーの中で自然に、格闘技知識のない読者にも
分かるように説明してくれるから。
複雑な技のかけ方も、丁寧な描写のおかげで
ひとコマずつ目で追って、理解することができる。


また、作中に登場する各選手たちがそれぞれの
持ち味や弱点を意識しながら練習や試合に臨む姿勢からも
作品のリアリティーを感じ取ることができる。


それでいて、カタいお話になっていないのは、
主人公をはじめとした個性豊かなキャラクターのおかげだろう。
プロになりたいのか、自分でもよく分からない主人公メグルに、
同学年でプロ志望、ライバル心むき出しのナルシスト勇大、
疎遠になってたメグルの昔の友達で、今は別ジムにいるタカシ。


さらに、今のところ恋愛要素はまったくないのだが、
ツンデレ疑惑のある長身キックボクサーのマキちゃんに、
カップだと言い張る美人インストラクターのまりあさんなど、
2巻からは女性キャラクターも充実。


そして2巻一番の見所はメグル初勝利の一戦。
これといった得意技や勝ちパターンのないメグルだが、
試合の中で成長し相手の技をコピーして番狂わせを起こす。


メグルが今後どんな選手になっていくのか、楽しみです。