『スケット・ダンス』 10巻
- 作者: 篠原健太
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/11/04
- メディア: コミック
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スケットダンスは、ときどきすごく真面目になる。
ここ3週間ぐらいジャンプ本誌で連載されてたシリーズでは、
立ち読みにもかかわらず思わず笑ってしまう。
店員には危ないやつと思われたかもしれない。
でもそれだけ面白いのだから仕方ないんだ。
この作者は"笑い"を生み出す"状況"を描き出すのが上手い。
そこから計算された間合いで、いつものコメディが繰り広げられる。
それがときどき、とんでもなくシリアスな話が展開されてしまう。
そこには、いつものようなリズムのよい笑いはない。
あるのは、とても重たくて、クサくて、ちょっとベタかもしれないけど、
読む者の心に何か爪あとを残すような、しっとりとしたストーリー。
10巻で描かれているのは、ボッスン出生の秘密に関する一連のお話。
彼がなぜ人助けを志したのか、物語上重要なエピソードだ。
普段のコメディ回のように、何度も読み返すような話ではないかもしれない。
でも、こういう話があるからこそ、普段の笑いにも深みが増すというもの。
まだ10巻。大人買いするにも、まだ間に合う。