『スケット・ダンス』 10巻

SKET DANCE 10 (ジャンプコミックス)

SKET DANCE 10 (ジャンプコミックス)

スケットダンスは、ときどきすごく真面目になる。


ここ3週間ぐらいジャンプ本誌で連載されてたシリーズでは、
立ち読みにもかかわらず思わず笑ってしまう。


店員には危ないやつと思われたかもしれない。
でもそれだけ面白いのだから仕方ないんだ。


この作者は"笑い"を生み出す"状況"を描き出すのが上手い。
そこから計算された間合いで、いつものコメディが繰り広げられる。


それがときどき、とんでもなくシリアスな話が展開されてしまう。
そこには、いつものようなリズムのよい笑いはない。


あるのは、とても重たくて、クサくて、ちょっとベタかもしれないけど、
読む者の心に何か爪あとを残すような、しっとりとしたストーリー。


10巻で描かれているのは、ボッスン出生の秘密に関する一連のお話。
彼がなぜ人助けを志したのか、物語上重要なエピソードだ。


普段のコメディ回のように、何度も読み返すような話ではないかもしれない。
でも、こういう話があるからこそ、普段の笑いにも深みが増すというもの。


まだ10巻。大人買いするにも、まだ間に合う。